近世~近代 香料産業と近代科学の発展

近世ヨーロッパ文化運動、大航海時代

14世紀イタリアのルネサンスは、古代ギリシャ・ローマ古典文化復興を目指す文化運動
ルネサンス=Renaissancフランス語で「再生」「復興」意味する
中国伝来の火薬、羅針盤、活版印刷を改良実用化で印刷技術が発展。薬用植物書物が盛んに出版。
羅針盤により遠洋航海が可能となり、新領土獲得目的に大航海時代が始まる。
その航海で食生活に不可欠であった香辛料(スパイス)の交易ルート開拓する目的があった。
15世紀中海交易はオスマン帝国に支配され香辛料に関税がかけられた。
アメリカ、アフリカ大陸への海外進出が進みカカオやバニラ、チリなど新植物がヨーロッパにもたらされた。


近世イギリス ハーバリスト

薬用植物書物普及でイギリスでハーバリストと呼ばれる薬草学専門家の人々が現れる。
「The Herball:本草書」著者ジョン・ジェラード(1545~1612)。
「The English Physician」著者ジョン・パーキンソン(1567~1650)。
占星術と薬草をつなげたニコラス・カルペッパー(1616~1654)※薬草は月太陽、惑星に支配される。
※治療する部位には、その部位と似た形の植物が有効と考えられた


日本香道

室町時代に香道という芸道が成立。香木を焚いて楽しむ聞香(もんこう)が行われた。
香道は足利義政将軍の東山山荘に集まった文化人が興した。
三條西実隆は「御家流」、志野宗信は「志野流」の開祖。


近代植物学の起こり

植物分類体系はスウェーデンのカール・フォン・リンネ(1707~1778)が作った。
「二名法」という分類により1つの植物に複数名称が混在する問題が解決された。

※コトバンクより※
二名法:生物の種の学名の付け方で、ラテン語を用い、属と種の名を列記するもの。属名は大文字で始め、種の名(種小名・種形容語)は小文字(植物で人名に由来する場合は大文字)で始める。リンネが提案。
[補説]例えば、イチョウの学名はGinkgo biloba。Ginkgoは日本語の銀杏の音読みGinkjoの誤記とされる。bilobaは二つに裂けた葉という意味。イチョウは中国原産だが、17世紀末に日本に滞在したケンペルが帰国後刊行した著書の中で紹介し、後にリンネが命名した。

大航海時代以降はプラントハンターと呼ばれる植物学者たちが大陸へ航海に同行し未知植物を本国に伝えた。
18世紀ジェームス・クックはエンデバー号に同乗、オーストラリアを探検したジョセフ・バンクス(1743~1820)が代表的。
太平洋地域植物を採集し、ヨーロッパにミモザ、ユーカリなどを紹介している。

近代ヨーロッパ香料文化

16世紀ヨーロッパ香料として植物から精油抽出。
王侯貴族は芳香目的に香料使用。
治療薬としても精油は用いられた。
香料文化はイタリア、フランスへ伝わり、ルイ14世(1638~1715)は調香師を雇い、好み香料を調合させた。
イタリアネロラ公国公妃がビターオレンジ精油を愛し、「ネロリ」と呼ばれた。


「オー・デ・コロン」芳香水

17世紀末イタリア人ジェヴァンニ・パオロ・フェミニス(1670~1736)は移住したドイツのケルンで芳香水を売る。
「アクアミラビリス(すばらしい水)」の名で流行していた。上質のアルコールと、ベルガモット精油を中心処方。
フランス語で「Eau de Cologne:オー・デ・コロン:ケルンの水」と呼ばれた。
ジョヴァンニ・マリア・ファリーナ(1685~1766)が製造を継ぎ人気を広げ、占領したナポレオンにも愛された。

近代ヨーロッパ香料産業

十字軍騎士はイスラム兵士の賦香革手袋をヨーロッパに持ち帰った。
これにより流行し、フランス南部グラース地方で手袋にも賦香がはじまる。
温暖で芳香植物が多く「香水の都」としてグラース地方は有名に。


近代科学発展

19世紀薬剤、合成香料がさかんに製造され、成分分析により石油や石炭により合成ができるように。

日本香料産業

明治時代以降ハッカ(薄荷)、ラベンダー精油目的栽培がはじまる。
薄荷は北海道の北見市。ラベンダーは昭和12年にフランスから種子を得た。
※1937年 (昭和12年) 曽田香料の創始者・曽田政治氏が化粧品の原料としてフランスよりラベンダーの種5kgを入手する。
その後、日本各地で試験栽培が行われる。
https://www.farm-tomita.co.jp/history/

富良野地方で品種改良栽培の研究が集約されている。



アロマテラピー検定HP


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