精油作用、製造方法

~精油作用~
精油の作用は個人感や状況によって差はあるが以下の作用が確認されている

<心身>
①強壮作用:身体の活性化、強くする作用
②去痰作用:痰を切り、出しやすくする作用
③消化促進、食欲増進作用:胃腸の働きを活発にし消化促進・食欲増進作用
④鎮静作用:神経働きを鎮めて心身のリラックス作用
⑤鎮痛作用:痛みを和らげる作用
⑥ホルモン調整作用:ホルモンバランスを整える作用
⑦免疫賦活作用:免疫活性化作用
※免疫:体内に病原菌や毒素その他の異物が侵入しても、それに抵抗して打ちかつ能力。また、異物と反応する抗体を作って発病をおさえる抵抗力を持つこと。転じて、物事がたび重なるにつれて慣れてしまうこと。
⑧利尿作用:尿排泄促進作用
→すべてがこの作用があるわけではない。精油の種類や量によって決まる(精油は二次代謝産物)。

<皮膚>
①収れん作用:皮膚引き締める
②保湿作用:皮膚の潤いを保つ
※光毒性や刺激があるものもあるため、適度な量にする(1%以下や腕等でパッチテストを行う)

<その他作用>
①抗ウイルス作用
②抗菌作用
③抗真菌作用
④殺菌作用
⑤虫よけ作用
⑥メイク汚れ除去作用


~精油の製造方法~
水蒸気蒸留法
熱・水によさらされ香りが損なわれるものもある。
1kg精油をつくるのにローズの花は3~5t、ラベンダーの花穂は100~200kg必要。
また近年では減圧、超音波を利用して回収効率をあげる工夫がされている。
水蒸気蒸留法で得た水相は香りがり、芳香蒸留水(フラワーウォーター、ハーブウォーター)といい化粧品などに利用される。

水蒸気蒸留法
※画像データはURLからお借りしています

(低温:コールドプロセス)圧搾法
柑橘類(レモン、スイートオレンジ等)の果皮から精油を得る方法、つぶし・液体と固体を遠心分離で分ける工程がある

圧搾法

揮発性有機溶剤抽出法
石油エーテルやヘキサンなど低分子低沸点揮発性有機溶剤はにおいを溶かしやすい傾向がある。精油の成分はこれよりも沸点が高いため香りを分離することが可能である。ローズやジャスミンの花はこの方法に適する。
まず植物と有機溶剤を混ぜ常温で植物天然のワックス成分を溶かす。
つぎに植物の固体を取り除き有機溶剤を揮発させると半固形状物質「コンクリート」が得られる

揮発性有機溶剤抽出法

これにエタノールを加えると芳香成分とワックス成分を分離し、エタノールをとばせば芳香成分が得られる
これをアブソリュートという
なお、樹脂から得た芳香成分はレジノイドといい香り持続の保留剤に用いられる

揮発性有機溶剤抽出法②

油脂吸着法
昔から利用されている方法、精製した牛脂(ヘット)や豚脂(ラード)、オリーブ油等で精油成分を抽出する方法。
常温で固形油脂上に花などを並べるアンフルラージュ(冷浸法)
60~70℃の油脂に浸す摩セレーション(温浸法)
高濃度芳香成分吸着した油脂をポマードという。これにエタノールで固形・芳香成分をわけ、エタノールを除去したものをアブソリュートという。油脂吸着法は手間がかかるので今はあまり利用されていない

油脂吸着法



亜臨界流体抽出法

物質には固有の(気液)臨界点が存在し、圧力・熱を加えていくといずれその臨界点を超える。すると、液体と気体の境が消え両者の判別ができない状態になる。その状態、つまり超臨界流体では、液体と、気体の両者の性質の発現が可能であるということだ。特に臨界温度をわずかに超えた温度条件では、少しの圧力変化で密度が大きく変化するので、この特性を利用することで、圧力と温度の操作により、対象物質の超臨界流体への溶解度を変化させ、合目的な抽出を可能とすることができる。

1970年ごろからから二酸化炭素CO2を液化ガス溶剤として利用し、高圧、高温で亜臨界状態流体にしたら植物をいれ精油成分を抽出、流体圧力を戻すと二酸化炭素は気化する。低温処理も可能であるが装置が高い。

亜臨界流体抽出法

亜臨界流体抽出法②


超臨界二酸化炭素抽出装置


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ケアプロダクトデザイナー:家庭用化学製品開発製造販売技術者:104

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今後も更新がんばります。

どうも日用品関係の情報をまとめる人です。
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